Contents01

ハイライト

ご挨拶

投資口1口当たりの分配金は従来予想である3,529円を48円上回る3,577円となりました。

伊藤 毅

CREロジスティクスファンド投資法人 執行役員

CREリートアドバイザーズ株式会社 代表取締役社長

伊藤 毅

投資主の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素はCREロジスティクスファンド投資法人に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

本投資法人は2018年2月7日に東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場し、このたび上場後9期目の決算期(第12期)を迎えることとなりました。これもひとえに投資主の皆様のご支援の賜物と、感謝申し上げます。

当期においては、保有する20物件はいずれも100%稼働により着実な運用を行うことができました。その結果、投資口1口当たりの分配金は従来予想である3,529円を48円上回る過去最高の3,577円となりました。また、2022年7月にロジスクエア狭山日高の準共有持分20%を追加取得し、8月にロジスクエア千歳を売却したことを踏まえ、1口当たり分配金は2022年12月期6,186円、2023年6月期3,626円と予想しています。

さて、今後の物流不動産の賃貸市場については、通信販売・電子商取引の更なる拡大や、荷主企業による「サプライ・チェーンの寸断等の不測の事態に備えた在庫量の積み増し」が継続する等テナントの賃貸需要は旺盛で、引き続き堅調に推移するものと考えています。

本投資法人においては、当期から2023年6月期までの間に賃貸借契約5件が期間満了を迎えますが、すでに既存のテナントと新たな賃貸借契約を締結し、その多くが賃料増額を伴っています。今後も引き続き着実な運用に取り組み、投資主の皆様にその成果を還元してまいる所存です。

投資主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

決算サマリー

1口当たり分配金の推移

1口当たり分配金(2022年8月15日公表)

  • 2022年6月期実績 3,577
  • 2022年12月期予想 6,186
  • 2023年6月期予想 3,626

ポートフォリオ(2022年8月3日時点)

  • 物件数 19物件
  • 取得価格総額 1,369億円
  • 稼働率 98.8%

Contents02

トップインタビュー

資産取得・譲渡、ESGへの取り組みについて

2022年7月20日に公表した資産取得・譲渡、ESGへの取り組みについてご説明いたします。

CREリートアドバイザーズ株式会社 代表取締役社長

伊藤 毅

1. ロジスクエア狭山日高の準共有持分20%の追加取得

本投資法人は、2022年7月にロジスクエア狭山日高の準共有持分20%を3,612百万円で追加取得し、2021年1月に取得した準共有持分80%と合わせ、現在、本物件を100%保有しています。

これまでの物件取得の際には公募増資と借入で調達した資金で購入してきましたが、今回は、手元資金を活用した物件取得である点が大きな特徴です。本投資法人は現状1期当たり642百万円程度の減価償却費が計上されますが、築浅の物件が多く資本的支出が数千万円と少なく済み手元資金が蓄積されることから、これを有効活用し取得に至ったものです。今回の物件取得等により一時的な要因を調整した巡航1口当たり分配金は3,547円から3,637円と2.5%増加させることができました。

巡航分配金の推移

2. ロジスクエア千歳の譲渡

本投資法人は2022年8月にロジスクエア千歳を3,200百万円で売却いたしました。本物件は北海道千歳市に所在しており、保有物件のなかでも遠隔地にあり今後運用コストが嵩むおそれがあり、また、将来の不確実性を排除するため、売却を判断しました。
本物件は2020年7月に1,300百万円で取得しましたが、約2.5倍もの価格で売却に至った背景についてご説明いたします。本物件は当初稼働が安定しておらず、収益を安定化させるため、スポンサーと賃料固定型マスターリース契約を締結した上で取得いたしました。本投資法人が取得後は適切なリーシング戦略によりエンドユーザの稼働率を上昇させることができており、買主には賃料固定型マスターリースを解除する前提でエンドユーザの賃貸借条件にて物件価値を評価していただき、3,200百万円という価格で交渉を妥結することができました。
本投資法人は成長過程にあり物件取得によりポートフォリオの拡大及び分散を図っていく方針であり、保有物件の売却について積極的に行う方針はありませんが、現在の物流不動産の売買市場が非常に活況である中、適切なタイミングで売却の判断ができたと考えています。

取得価格の約2.5倍の価格で売却

2020年7月取得後、エンドユーザーの稼働率が上昇

3. 資産運用報告の刷新

毎期のご報告として毎年3月と9月にお送りしている本資産運用報告ですが、次回からは、環境への配慮及びコスト削減の観点から全面的に刷新し、法令上送付が必須である部分のみお送りすることとし、カラーの企画ページについてはウェブページでご覧いただく形といたします。今回の本資産運用報告については、刷新にあたっての移行期間と位置付け、企画ページの一部を本冊子としてお送りし、フルバージョンをウェブに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

用紙の削減効果

ウェブページ

4. TCFD提言に沿った開示と新たな目標設定

2022年8月15日の第12期決算公表に合わせて、TCFD提言に基づく説明資料を公表いたしました。TCFDとは、Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)の略であり、G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により設立された国際イニシアチブです。TCFD提言では、企業等に対し、気候変動関連リスク及び機会に対する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について開示することが推奨されており、本投資法人ではこれに沿った開示を行いました。
また、従前より環境に関する目標を掲げておりましたが、TCFD提言への対応を検討する過程で目標の見直しを行い、新たな目標を設定しています。産業革命前からの世界平均気温上昇を1.5℃に抑えるという国際的な目標に向け、本投資法人の保有物件においても太陽光発電や省エネの取り組み等を通して、温室効果ガスの削減に取り組んでまいります。

温室効果ガス排出量(原単位)

グリーンビル認証取得率(延床面積ベース)

5. 資産運用報酬の改定

2022年9月28日に開催予定の投資主総会に規約変更の議案を上程し、2023年6月期より資産運用報酬体系を変更することを投資主の皆様に諮ります。2019年に開催した投資主総会では、本投資法人として初めて1口当たり当期純利益に連動する資産運用報酬体系を導入いたしましたが、今回はさらに1口当たり当期純利益との連動性を高めることが狙いです。総資産ベースの運用報酬1を減額し、運用報酬2と運用報酬3を一本化し1口当たり当期純利益との連動性を高めることにより、投資主の皆様と利益が一層合致する資産運用報酬体系となる見込みです。

変更前
運用報酬1 総資産額×0.325%(上限)
運用報酬2 税引前当期純利益×4.0%(上限)
運用報酬3 1口当たり当期純利益×10,000
取得時報酬 取得価額×1.0%(上限)
(利害関係者との取引は0.5%(上限))
変更後
減額 総資産額×0.3%
統合 税引前当期純利益×1口当たり当期純利益×0.0019%
取得価額×1.0%
(利害関係者との取引は0.5%)
2022年6月期実績値での比較

今後も投資主価値向上を第一に考え、着実に資産運用に取り組んでまいりますので、引き続き変わらぬご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

Contents03

ESGへの取り組み

Environment

ポートフォリオの95.3%がグリーン適格資産

95.3%

8割超の物件で太陽光発電を導入

太陽光発電の自家消費

施設内で消費する電力の一部を、太陽光発電した電力で賄う

人感センサーの設置

施設内に人感センサーを設置し、省エネルギーを推進

節水型衛生器具の設置

節水性能の高い衛生器具を設置することで、節水に取り組む

土壌汚染対策

CREのグループ会社である株式会社エンバイオ・ホールディングスは、汚染土壌を掘削せずに地中の汚染物質を分解する「原位置浄化」を積極的に採用し、工場跡地等を物流施設の開発用地として再生

Social

テナントアンケート調査の実施

2021年10~11月にすべてのテナント対象にアンケート調査を実施。

今後もロジスクエアに入居したいと思いますか?

100%

近隣の小学生を対象とした社会科見学を開催

2022年5~6月にロジスクエア大阪交野にて、テナントが近隣の小学生を対象とした社会科見学を実施。

能力開発の支援

資格取得費用や祝い金の支給により、資格取得を奨励

資格名 保有・合格者割合
宅地建物取引士 84.6%
不動産証券化協会認定マスター 61.5%
日本証券アナリスト協会検定会員 23.1%
不動産コンサルティングマスター 15.4%

※本投資法人の運営に関与する13名(2022年6月末日現在)を分母として計算

社長が全従業員と面談(四半期ごと)

本資産運用会社では、四半期ごとに社長が全従業員と個別面談を実施。目標設定、業務進捗、キャリアの構築を含め多様な内容を話し合う場を設定。

離職率は低い水準で推移

2022年7月期 2021年7月期 2020年7月期
0.0%(―名) 7.7%(1名) 0.0%(―名)

Governance

スポンサー・本資産運用会社の役職員による本投資口の保有

スポンサーの代表者が本投資口を保有。加えて、本資産運用会社の多くの役職員が累積投資制度及び社内規程に基づき本投資口を保有

  役職 氏名 保有口数
CRE 代表取締役社長 亀山 忠秀 722 口
本資産
運用会社
代表取締役社長 伊藤 毅 1,162 口
常務取締役 岡 武志 61 口
他従業員 14名中11名 145 口

※2022年6月末日現在。各保有口数は1口未満を切り捨てて記載しています。

本資産運用会社の高い独立性

独立系アセットマネジメント会社として創業した経緯から、全従業員がプロパー。採用及び人事評価にCREは関与しない

  人数
常勤取締役 2名
従業員 14名
内、CREからの出向者
合計 16名

※2022年6月末日現在。

Contents04

本投資法人の特徴・優位性

1.ロジスクエアに重点をおいたポートフォリオ

CREによって開発され、テナントニーズに応える良質な物流関連施設であるロジスクエアに投資

築年数

平均
4.6年

稼働率

平均
98.8%

首都圏・関西圏比率

首都圏・
関西圏比率
97.9%

公共交通機関からの所要時間

徒歩10分以内
85.6%

2.長期安定的な資産運用

長期賃貸借契約とCREの高い管理能力

賃貸借残存期間

平均
4.8年

テナント構成比率※3

シングル比率
53.2%

3.明確な外部成長戦略

本投資法人は、CREとのスポンサーサポート契約※4により、CREが自社で開発し保有する物流関連施設の全てについて取得する機会の提供を受けます

CRE開発比率

CRE開発比率
100.0%

※1 保有不動産の比率(取得価格ベース)を示しています。

※2 2022年8月3日時点の保有不動産を対象に計算し、築年数及び賃貸借残存期間のみ、2022年6月末を基準に記載しています。

※3 「 シングル」とは、入居テナント数が1であることをいい、「マルチ」とは入居テナント数が2以上であることをいいます。以下同じです。

※4 スポンサーサポート契約に定める適用除外事由に該当する場合を除きます。

パイプラインサポート

将来の外部成長を可能とする豊富なパイプライン

パイプライン

合計12物件 延床面積734,244

①竣工(予定)時期 ②(予定)延床面積 ③所在地

優先交渉物件

  • ロジスクエア白井

    ①2022年12月
    ②30,808㎡
    ③千葉県白井市

  • ロジスクエア枚方

    ①2023年1月
    ②45,842㎡
    ③大阪府枚方市

CRE開発物件

  • ロジスクエア厚木Ⅰ

    ①2023年3月
    ②18,236㎡
    ③神奈川県愛川町

  • ロジスクエア松戸

    ①2023年5月
    ②15,642㎡
    ③千葉県松戸市

  • ロジスクエア一宮

    ①2023年9月
    ②60,641㎡
    ③愛知県一宮市

  • ロジスクエアふじみ野 A・B・C棟

    ①A:2024年1月
     B:2024年10月
     C:2025年

    ②A:112,295㎡
     B:116,319㎡
     C:43,283㎡

    ③埼玉県ふじみ野市

  • ロジスクエア福岡小郡

    ①2024年2月
    ②24,114㎡
    ③福岡県小郡市

    ロジスクエア厚木Ⅱ

    ①2024年夏頃
    ②19,000㎡
    ③神奈川県厚木市

  • NEWロジスクエア京田辺 A・B棟

    ①A:2025年2月
     B:2026年

    ②A:160,530㎡
     B:87,534㎡

    ③京都府京田辺市

※2022年8月15日現在、本投資法人はCREグループとの間でパイプラインについて具体的な交渉を行っておらず、現時点において取得する予定はなく、また今後取得できる保証もありません。

スポンサーの概要

CREは物流不動産に特化した不動産会社

全社員が物流不動産に関与

他社からの管理受託実績が豊富

CREのテナント誘致・物件管理力―幅広いテナントネットワークが強み

物流事業者に留まらない多様なテナントとの直接契約により成約賃料、増額、減額などの賃料動向を即時に把握

物流施設中心型PM会社※1で3位の管理実績

物流不動産の証券化黎明期より開発を行い、リート組入れ可能な施設開発のノウハウを蓄積

2020年7月期
  • ロジスクエア神戸西
  • ロジスクエア狭山日高
  • ロジスクエア三芳
2021年7月期
  • 富山BTS型倉庫
  • ロジスクエア三芳Ⅱ
  • ロジスクエア大阪交野

内部成長戦略

財務方針

安定的かつ健全な財務基盤を構築することを基本方針とし、LTVについては原則として50%を上限としています。

LTVを低下させ借入余力を確保

新規借入先の招聘により有利子負債の調達先を分散

返済期限の分散状況

利益を超える金銭の分配

物流関連施設は、土地建物価格に占める建物価格比率が高いという特性を有し、減価償却費が他のアセットクラスに比較して高めに計上される傾向にあります。そこで、本投資法人は、修繕や資本的支出への活用の他、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当などの他の選択肢についても検討の上、原則として毎期継続的に利益を超えた金銭を分配する方針です。
継続的な利益超過分配の水準は、当面の間、当該営業期間の減価償却費の30%に相当する金額を目途としますが、一時的に1口当たり分配金の水準が一定程度減少することが見込まれる場合には、1口当たり分配金の金額を平準化することを目的として、当該30%相当額の範囲内において柔軟に運用し、各期における利益超過分配の水準は総合的に判断して決定します。